概要
昨今、多くの医療機器企業は新たなビジネス課題に直面しています。多くの企業が成長の鈍化に悩まされており、既存の製品や従来のビジネスモデルからの収益が低下しています。L.E.Kは、医療機器企業の全てのバリューチェーンに渡る課題の解決、並びに新たな成長機会の特定・把握を支援しています。 今日、医療機器企業が抱えている課題、並びに成長機会には次のようなものがあります。
- アメリカにおける医療費の減少アメリカにおける医療費削減の圧力を受け、医療機器企業の成長が鈍化しています。各企業は増収を目指し国外、とりわけ成長著しい新興国の市場に目を向け始めていますが、新興国への進出だけでは、株主が期待する成長を実現できず、結果として、従来とは異なる成長方法・収益源の獲得を模索する必要に迫られています。
- アカウンタビリティとバリューに基づく償還の拡大 医療機関ではトータルケアコストの削減圧力を受けていることから、医療機器企業に対してもコスト削減への協力要請を強めています。加えて、アカウンタビリティの観点を踏まえ更なるコスト効率の改善を図っており、多くの医療機関が部門別調達ではなく全体一括での調達を模索する動きが活発になっています。医療機器企業にとっては医療機関の調達機能が一括に統合されることで、営業努力の焦点が絞りやすくなる一方、より洗練された調達組織との交渉や医療機関単位で標準化されたニーズへの対応が必要となるだけでなく、他の医療機器企業との競争が激化しています。
- 医療機器企業事業範囲の変化・拡大 医療機器企業は、自社の事業範囲を再定義することで新たな成長機会を発見できる可能性があります。これは数多くの医療機器企業が提供サービスの幅を拡大していることからも推察されます。事例としては、医療機器企業による治療サービスの提供 (例、MedtronicのDiabeter買収)や、医療機器卸事業者による、独自のブランド製品の販売 (例、Cardinal Health)、製造事業者による医療機器卸事業者の垂直統合(例、 BardのLiberator Medical買収)などが挙げられます。同様に共同購買組織も提供サービスを拡大しており、また、医療機器の受託製造業者も製品のデザイン・試作などといった上流工程への進出を実現しています。
- 医療機器供給業者の統合 医療機器供給業者の統合が促進されている中で、小規模企業にとっても課題と機会が生じています。
- サービスやソリューション提供の重要性 他のヘルスケアサービス提供事業者と同様に、医療機器企業はソリューション提供会社への変革を成し遂げ、差別化を図るのに良い状況にいると言えます。この競争の中では敗者も出ることも予測されますが、中長期的な視点もってソリューション提供会社への変革を見据えた先行投資に踏み切ることは、その後の大きな便益の獲得に繋がるでしょう。
- 医療機器販売戦略の進化・変革 上記のトレンドを踏まえ、医療機器企業は顧客へのアプローチ方法の見直し(例、レベニューシェアモデルの導入など)を進めています。同様に、顧客セグメンテーションやターゲット顧客の再設定を検討し、より効果的且つ効率的に、顧客ニーズに応える販売体制の構築を進めています。
- 医療機器の価格制度の変革 医療機器企業にとって、顧客セグメンテーションや、製品価格、並びに契約形態などを見直し・再検討する重要性が増しています。 これまでは高いマージンと診療サービス費用による償還の恩恵を受けていたため、医療機器企業において製品価格や契約形態に関わる戦略を検討する重要性はさほど高くありませんでした。しかし、昨今の状況を受け医療機器企業は製品価格や契約形態をより戦略策定における重要な論点と捉えるようになりました。その結果、医療機器企業は顧客に段階式の価格設定行う機会などを模索しており、更には共同購買組織との関係性を再精査し、時に大型病院との直接契約を目指すアプローチも増加しています。
上記のようなビジネス機会および課題を踏まえると、企業はこのヘルスケア市場の変化に伴って新たな成長機会を見出すことが可能であるとL.E.K.は考えます。このような環境下では、医療機器企業は、現行のビジネスによる利益の最大化を目指すだけではなく、自社のコアコンピテンシーを活かすことで新たな収益源の獲得に乗り出す必要があります。
しかし、医療機器企業にとって複数の成長機会・方向性が考えられる中で、そのどれが自社にとって最も適切な選択肢であるかをどのように判断すべきでしょうか?L.E.K.はこうした疑問に対するコンサルティングサービスを数多くの医療機器企業に提供してきました。我々の高度な調査・分析手法を活用することにより、クライアント企業の成長に大きなインパクトを生み出してきました。
L.E.K.では、クライアント企業毎の特殊性を考慮した戦略の策定を行っています。
L.E.K.の戦略的ソリューション
クライアントのビジネスを成長させ、更には株主価値の最大化をサポートすることは、L.E.K.のDNAとなっています。我々は、クライアント企業毎の固有の状況に合わせてアプローチ方法をカスタマイズすることで、クライアントにとって最適な戦略を策定しています。L.E.K.は医療機器、消耗備品、専用機器、ヘルスケアIT、薬物供給装置などをはじめとするあらゆる主要製品にくまなく精通しています。L.E.K.の医療機器企業向けのコンサルティングサービスには下記のようなものがございます。
- 顧客セグメンテーションとターゲティング 医療機器企業は大型の総合病院と小型の地域病院ではニーズが異なる可能性があることを理解する必要があります。大型の総合病院では医療機器企業との中長期的なパートナーシップを模索している可能性がある反面、小型の地域病院では単発の取引を望んでいる可能性があります。L.E.K.は、医療機器企業がこの複雑な市場環境において適切な顧客セグメンテーションとターゲティングの意思決定を支援しています。更にはL.E.K.独自の病院システムの情報をまとめたデータベースや、毎年実施しているL.E.K.ホスピタルサーベイから得られるインサイトをクライアントに提供しています。
- サービスとソリューションの拡大 医療機関は医療機器企業に対して、単に革新的なデバイスを提供するだけではなく、臨床における課題やニーズを満たす幅広いソリューションの提供を期待しています。ソリューション提供における理想的な姿は、製品・サービス・データ活用の三要素が融合されている状態であり、更に望ましいのはその効果を測定・追跡する手法が含まれていることです。L.E.K.は、医療機器企業が病院部門(例、手術室・薬局・ラボ)や医療環境(例、外来手術センター)に対して提供するサービスおよびソリューションの普及支援において豊富な実績があります。我々はアンメットニーズを充足するためのソリューションの開発や、それを実現するために求められるテクノロジーやサービス、並びにデータの定義や活用支援を行っています。更には、これらの新たなソリューションを効果的に実現するために必要な組織変革の戦略策定並びに実行支援を行っています。
- コマーシャルモデルの最適化 今日のヘルスケア市場で成功を収めるためには、組織の構造やコマーシャルモデルが顧客視点で設計され、医療機関のニーズを適切に把握・充足できるようになっている必要があります。L.E.K.は医療機関が抱える課題や、医療機関が医療機器企業への期待について理解しています。更にL.E.K.では、医療機器企業の製品開発を全ての段階で支援し、今日の市場において成功を収めるために必要となる組織体制やコマーシャルインフラ、そして営業リソースの最適化の支援を行っています。
- 価格戦略および訴求価値の明確化 ヘルスケア市場がより効果を重視するようになったことに伴い、医療機器の価格設定モデルも変化しています。市場へのアクセスと高い利用率を実現するためには、医療機器企業は価格戦略の再考と訴求価値の明確化が重要になります。L.E.K.では、クライアントが対象とする市場毎に効果的な価値訴求方法を検討し、リターンを最大化する適切な価格戦略および参入戦略の策定を支援しています。また、製品が市場に出た後には、L.E.K.は個々の製品やソリューションの価値訴求力の向上も支援しています。
- トランザクションサポート 戦略的な選択をする企業(例、Medtronic、Stryker、BD、Abbott)は、ここ数年間のM&A戦略において特に目立った動きを見せています。いくつかのディールは自社の既存ケイパビリティの強化を目的としていますが(例、Zimmer Biomet)、それと同時に既存の枠組みにとらわれない新しいケイパビリティの獲得を目的としたディールも増加しています。L.E.K.は、トランザクションサポートの分野における第一人者であり、医療機器企業やプライベート・エクイティ・ファームの支援を数多く行っています。トランザクションサポートにおける第一人者として、これまで1,200億ドル以上相当のライフサイエンス・医療機器関連のトランザクションの支援を行ってきました。我々は、M&A戦略、パートナーシップ戦略、ターゲット企業スクリーニング、コマーシャルデューディリジェンス、交渉支援やPMIなどといった、トランザクションにおける全てのライフサイクルにおいてコンサルティングサービスを提供しています。とりわけコマーシャルデューディリジェンスに関してL.E.K.の評判は大変優れており、厳しい時間的制約がある中でもターゲット企業に関する極めて詳細な分析を提供しています。
- 製品および市場性評価 現行の製品ポートフォリオにおける収益予測や、取得を検討している資産、並びに投資を検討している市場の評価などにおいて、客観的なエビデンスベースの分析結果が得られれば、自信を持って意思決定を行うことが可能になります。L.E.K.では定量分析と定性分析を組み合わせ、既に多くの実績を上げている独自のアプローチを採用することで、正確な収益の予測、取得検討資産の優先順位付け、並びにR&D投資における正しい意思決定の支援を行っています。
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