プロジェクトの背景

循環器関連の医療機器を有する大手医療機器メーカーは、主要製品カテゴリーにおいて競争力を失いつつあり、同社経営陣は製品の機能を強化し、シェア拡大のために、既存の営業戦略を変える必要性があると考えていました。また、複数の新製品上市を控えていたこともあり、経営陣は営業・·マーケティング活動の最適化を実現したいと考えていました。

顧客企業の経営陣はL.E.K. コンサルティングに上市戦略の策定支援を求めました。取組みの中核は、経営陣がほぼリアルタイムにすべての製品の上市活動を管理できる専用スペース、いわゆる製品上市のための“ウォールーム”の創設でした。

アプローチ

L.E.K.は営業・マーケティングマネージャーを含む上市チームとの緊密な連携作業により、L.E.K.は、ターゲットアカウントの絞込み、ならびに主要業績評価指標( KPI)の特定などを支援し、一連のワークショップをファシリテートしました。

各ワークショップでは、営業の枠組みや議論のベースとなる下記の情報を含む 資料の素案などを作成しました.

  • アカウントのセグメント化
  • ターゲットアカウントの優先順位付け
  • 営業・マーケティング組織におけるコミュニケーションおよびフィードバックのプロセス業績評価指標の作成、定義
  • 業績評価指標のモニタリング・管理プロセス作成

プロジェクト開始時、一部のメンバーはこの上市戦略およびウォールームコンセプト自体に対して懐疑的でした。しかしチームメンバーがウォールームコンセプト全体の重要性を理解し、同意し、主導権を得たことにより、最終的にはコンセプトを支持するようになりました。チームが作り上げたウォールームコンセプトにおけるフレームワークは、新製品上市戦略の中核をなすことになりました。

上市後90日を目処に“ウォールーム”を営業・マーケティング組織のコミュニケーションを司る司令室として機能させることにより、計画が実行されました。10項目の主要業績評価指標は、毎日もしくは毎週更新され、営業・マーケティング活動や顧客の動向の変化に応じて迅速に調整されました。

結果

本プロジェクトは、営業およびマーケティングチームが効果的に連携し、製品上市後90日以内にシェア拡大を達成できたために、顧客企業の社長やその他経営陣から非常に成功したと評価されました。顧客企業は他の部門の製品上市戦略においても本プロジェクトより得られた経験を基に“ウォールーム”の概念を横展開しております。

*特定プロジェクトの為に設置された戦略的意思決定を行う執務空間